「ここにしかない」体験を。湖畔の駅 SUWAKO terraceで深まる、地域との繋がり【パティシエ中村有稀さんに聞く】

「ここにしかない」体験を。湖畔の駅 SUWAKO terraceで深まる、地域との繋がり【パティシエ中村有稀さんに聞く】

湖畔の駅 SUWAKO terrace

概要

事業内容 土産店
インタビュー 中村 有稀 さん
2025年10月オープン!岡谷市の新たなランドマーク、「湖畔の駅 SUWAKO terrace」さんにインタビューをしてきました!

【店舗概要】

岡谷市の洋菓子店ヌーベル梅林堂が2025年10月18日にオープンした複合施設(レイクリゾート施設)。中央道諏訪湖スマートインターチェンジ(IC)に近く、諏訪湖や八ヶ岳連峰を一望できるテラスを備える。足湯やレンタサイクルの貸し出しなど、複合的な観光拠点を目指す。

 

【中村 有稀さん】

日本菓子専門学校卒業後、世田谷区深沢のルパティシエタカギに入社。焼き菓子部門責任者や青山店の責任者を歴任。スキルアップの為、5つ星ホテル、ザキャピトルホテル東急に入社。その後、辻口博啓氏のルショコラドゥアッシュに入社。商品開発を担当し、ショコラについての知識を深める。その後、実家のヌーベル梅林堂に戻り、自身のショコラブランド「élevage」を開業。SUWAKO terraceの店舗運営を担当する。

新たな観光拠点として賑わいを見せておりますが、SUWAKO terraceのオープンに至った経緯などについて教えていただけますか?

「もともとヌーベル梅林堂として、諏訪湖沿いに何か観光の拠点になるようなものを出したいという話があったんですよ」

「そこに、たまたま今の立地のお話が来たので、出店させてもらったっていう経緯ですね」

インターチェンジのアクセス道路の出口に位置しており、良い場所の立地だ。2025年10月のオープンから半年が経った今も、多くのお客さんでにぎわっており、岡谷市の新たなランドマークとしての機能を果たしている。店内には、ヌーベル梅林堂のお菓子などはもちろん、諏訪地域、信州のお土産が豊富に揃えられていた。

SUWAKO terraceが目指すお店の姿について教えていただけますか?

「時間がない中でフラッと立ち寄っても、“ここに来れば全部済む"って感じで…。お客さんが色々楽しんでくれればいいなって思ってます」

「お土産も買えたり、カフェがあったり、足湯やテラスでくつろいだり。敷地的にはそれほど広くないんですが、様々な要素をここに落とし込んでます。地元の商品を知らない方々にも、この店を通じて信州の魅力を発見し、楽しんでいただければ嬉しいなって感じです」

これまでのヌーベル梅林堂の店舗とは形態も異なっている。他の店舗では見られないようなお土産品を置いたり、逆に他の店舗では見られるケーキは置いていなかったり。中でも、チョコレートは、これまでヌーベル梅林堂ではあまり扱ってこなかった分野。新ブランド(élevage)として本格的な扱いを始めた。

施設の雰囲気もとても良いですが、SUWAKO terraceの施設デザインなどへのこだわりについて伺えますか?

「お店自体、諏訪湖が目の前なんで、建物を諏訪湖に向かって開くように設計したんです。目の前に余計なものがないので、湖の景色を最大限に活かした形にしたんですよね」

諏訪湖側に設置された足湯は、中村さんご自身の思い入れも強いと話す。諏訪湖周辺には足湯スポットが点在する一方、湊側にはあまり見られない。多くの地元の方、観光客に楽しんでほしい、そんな思いから、足湯を作ったという。

「観光客の方だけじゃなくて、近所の方々にも気軽に立ち寄ってもらい、ソフトクリームを食べたりしながらゆっくりできる”場”になれば嬉しいですよね。」

東京での修行を経てSUWAKO terraceへ。”パティシエ”としての中村さんとは。

東京で修業を積んだ中村さんは、約3年前にSUWAKO terrace立ち上げの話を受け、岡谷に戻ってきたという。

「普段は厨房にこもっちゃうんですけど、試食を配る時などにお客さんの生の声を聞けると、面白いですよね」

中村さんは、お菓子作りについて「化学」だと表現する。素材や工程を少し変えるだけでも仕上がりは大きく変化し、その奥深さこそが魅力なのだと教えてくれた。

élevage(チョコレートブランド)の商品に込められたこだわり

中村さんは、チョコレートづくりにおいて「いかに地元の素材を使うか」を意識していると話す。

一般的にお菓子作りは、ピューレなどの材料を海外から取り寄せて作る手法が主流な中、「日本人がこの地でチョコレートを作る意味」を常に考えてきた。既製の素材を加工するだけでは面白みがない。自ら見つけてきた地域の食材を使い、この土地ならではの魅力を表現したいという思いがある。

「そういった意味では、このお店は、私にとっては「実験室」のような場所ですね(笑)」

「あんまり地元の方って、この地の良さを口にしないじゃないですか。そうした地元の人々が、普段意識しないこの地の良さに気づき、”こんな良いものがあるんだ”と再発見するきっかけになれば嬉しいですよね」と想いを語ってくれた。

SUWAKO terraceでの特別な楽しみ方を教えていただけますか?

「とりあえずソフトクリームを食べてほしい(笑)」

そう笑う中村さん。SUWAKO terraceのソフトクリームには特にこだわりがあるという。イタリア製のマシンを導入しており、独特な押し出し方によって、濃厚ながら軽い口当たりとなっている。氷の粒感が少なく、なめらかな食感が楽しめるそう。

「ソフトクリームを食べて、テラスでゆっくり過ごして帰ってもらうのが、この施設として一番良い楽しみ方なんじゃないですかね。全然、隙間時間とか何かのついでにふらっと気軽に来てもらって、ゆったり過ごしてもらえれば。地元の方も、ご飯の後にふらっと寄って、ぜひ、ソフトクリーム食べてほしいですね」

オープンから半年、お客さんの反応は。

オープンから半年が経った現在、県内外から様々なお客さんがSUWAKO terraceを訪れているという。諏訪地域は首都圏からも日帰りで観光を楽しめる場所にあり、観光資源も豊富である。

サイクリング途中の休憩スポットとして立ち寄る人も多い。
「諏訪湖一周の拠点として立ち寄ってもらえるのかなと。諏訪湖1周が16キロ、(自転車で)1時間くらいかかる中で、この辺にはそうした拠点が無かったので。」

「頻繁にチョコを買いに来てくださる常連のお客様もいらっしゃるんですよ。”ここ(の商品)は、すごい良いから、東京の友達を連れてくるね”と紹介してくださったりもするんで。このお店を通して、この地元の良さってのが広がれば嬉しいですよね。」

SUWAKO terraceが目指す、地域との繋がりや未来の展望

今後は、イベントやワークショップの開催も視野に入れているという。

「2階の部屋は、地域の方々に気軽に利用してもらえるような部屋にしようかなって思ってるんですよ。」

「お菓子とか関係なく、外部の様々な方がここを使って、地域の活性化につながるようなイベントなどを開催してもらえれば嬉しいです。例えば、趣味のサークル活動に使ったりとか、”私手芸が好きなんですけど、使っていいですか”とかでも全然。気軽に皆さん来ていただいて、何か一緒にできれば嬉しいですよね。」

単なる観光施設ではなく、人と人が自然につながる“地域の居場所”として。SUWAKO terraceは、諏訪湖畔の新たな交流拠点を目指している。

レイクリゾート施設として

SUWAKO terraceは、中村さんの情熱と地元への深い愛情が詰まった、諏訪湖畔の新たな観光拠点だった。ただのお土産店ではなく、独自のコンセプトと地域資源を活かした商品開発で、訪れる人々に信州の魅力を伝え、地元と外部を繋ぐ「レイクリゾート施設」として、岡谷市を元気にしてくれる、そんな存在だった。